資産形成(資産運用)

ジョン・メイナード・ケインズという経済学者から私が学んだ4つのこと(経済・投資編)

noteでも書いてあるとおり、私は多くの投資本を読んできたのですが、その中でも、「この人は本当に凄いなぁ…」と関心させられる人がいます。

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それは、私が、投資、経済、政治、金融、人生など多くの分野で参考にさせてもらっている、とある経済学者です。

みなさんも一度は名前を聞いたことはあるかもしれませんが、20世紀最大の経済学者の一人と言われるイギリスの経済学者「ジョン・メイナード・ケインズ(John Maynard Keynes)」です。

師匠とは言っているものの、ケインズはすでにこの世にはいません。ケインズは、1946年に亡くなっているからです。

どうして、そんなに前に死んだ人のことを、21世紀を生きる若者である私が師匠として仰ぐのか?

 

「そもそもケインズって誰だよ?」

「ケインズって経済学者でしょ?なんで投資と関係あるの?」

と思われる方も多いと思いますので、そのへんも含めて、私が勝手に師事しているケインズの良さを伝えられたらと思います。

なるべく経済や投資初心者にも分かりやすいような内容にしようと思います。

 

ジョン・メイナード・ケインズとはどんな人物なのか?

ジョン・メイナード・ケインズとはどんな人物か?

  • マクロ経済学の創始者と言われている
  • イギリスの官僚、政治家、投資家、経済学者など様々な顔を持つ
  • 20世紀最大の経済学者の一人と言われている
  • 経済学を勉強したのはたったの8週間
  • 経済学はもとより数学者であった
  • 人間を感情の生き物と捉えていた
by Wikipedia

 

ざっくりと私が思いつく限り、ケインズのイメージを書いてみました。

私がケインズと出会ったのは学生時代です。それからの出会いになるので、数年間、彼の書籍を読んでます。

おそらく経済を勉強しようと思った人で、彼の名前を知らない人はいないであろうと言えるほど、彼の知名度は抜群です。

『雇用と利子とお金の一般理論』 (1936)は、社会科の授業で勉強しているはずです。アメリカのニューディール政策の理論的支柱になった本です。

また、この本から今のマクロ経済学の基礎が出来上がりました。

 

ケインズの生い立ち

ケインズは1883年にイギリスに生まれます。経済に詳しい人はパッと来るかもしれませんが、この1883年は、かのカール・マルクスが死去した年でもあります。しかもなんと、20世紀最高の経済学者の一人と言われるシュンペーターが生まれたのも1883年です。

歴史の織りなすヒストリーが興味深いですね!

 

ケインズの両親は名家です。父親はケンブリッジ大学の経済学者です。母親はケンブリッジ市発の女性市長にもなった人物です。

 

イギリスのエリートが通う大学は大きく分けて2つあって、ケンブリッジ大学かオックスフォード大学です。ケインズは父親がケンブリッジ大学の関係者であったことから、ケンブリッジ大学に入学します。当時から相当優秀な成績を出していたようです。

 

しかも、彼は経済学者というイメージが強いですが、ケンブリッジ大学での最初の専攻は数学だったのです。確率論とかの本を出したりもしています。

数学をやりつつ、経済学にも手を出すというスタイルだったみたいです。

そして、官僚試験に2位の成績でインド省に入省します(当時、インドはイギリスの植民地でした。)。

 

ケインズほどの知性は官僚としてはもったいないですし、本人も合わず、インド省を辞めて、再びケンブリッジ大学に戻ります。そして、今度はケインズは大蔵省に入省します。またまた、大蔵省を辞めて、ケンブリッジ大学に戻ります。

官僚と学者を往来する感じですね。

経済学者というと象牙の塔の印象がありますが、ケインズの場合は実務も知っているし、理論にも精通しているという点が特徴的です。

 

ケインズは人間味にあふれる、バランス力が異常に発達した人間だった

  • ケインズは実務も知っているし、理論にも精通している人間だった
  • 芸術、哲学、数学、社会科学、心理学など総合知を司る人物だった
  • 人間を感情の生き物であると考えていた
  • 学問のみならず、自分も一投資家、投機家として市場に参加していた

私がケインズを師匠と仰ぐのは、ケインズの持ちあわせた知性の統合力(バランス力)とでもいうべき才能です。

極端な結論に急がず、色々な側面から事象を分析し、物事のバランスをとりながら、本質をえぐり出す能力と言えばいいのでしょうかね。

エルソルはケインズのこの側面に魅了されました。

 

勉強してばかりいて、実践のことを何もしらない象牙の塔の経済学者ではないですし、かといって現場一筋の職人でもないです。

職人と学者の間を往来しつつも、バランスを取りながら、人間や経済の機微を観察していた人物だったのです。

ケインズの様々な書籍を見ると、彼が、人間という生き物や社会をよく観察していたことが分かります。

 

人間は特定の考え方に固執したほうが楽なので、自分に合わない考え方を無視する傾向にあります。ケインズはそれをしないで、常に実践と理論の絶え間ない往来から自らの考え方を修正できる人間だったのだと思います。

 

 

そのような知的過程を経て紡ぎ出されたケインズの知性だからこそ、21世紀を生きる我々の時代にも役に立つような箴言がたくさんあるということなんでしょうね。

私は彼の思想に大きな影響を受けていて、経済を見るときにも、投資をするときにも彼の考え方を踏襲しているところがたくさんあります。

ジョン・メイナード・ケインズという経済学者から私が学んだ4つのこと

  1. 未来の不確実性について(将来はどうなるかは、誰にもわからない。)
  2. 人間は感情の生き物であるという視点(合理性だけで人間は動かない。)
  3. 何事も極端は良くない(バランスを取ることの重要性。)
  4. お金の本質を考えることの重要性について(お金を理解することなしに経済を理解することはできないという視点。)

ケインズは私にとって偉大すぎて、学ぶことはたくさんあるのですが、あえて私がケインズから学んだことを強調して列記するのなら、上の4つです。

ここに書いたことはどれも、私の投資哲学のコアになっているものです。

 

未来の不確実性について(将来はどうなるかは誰にもわからない)

私がこのブログやTwitterで口酸っぱく言及している、「未来の不確実性について(将来はどうなるかは誰にもわからない)」についてですが、これは彼の考え方に由来しています。

ケインズは20世紀最高の経済学者の一人と称されていますが、彼は投資家としても非常に優れていました。母校ケンブリッジ大学の基金を運用し、3万ポンドを38万ポンドに増やすなと投資家としても成績を残しています(投資手法はバリュー投資、バフェットよりも先を行っている)。

 

しかし、ケインズは投資をする前には、投機に手を出して失敗しています。為替の取引です。今風に言うならFXです。今ほどの法的規制も無い時代ですから、正直やり放題の時代です。

そして、何よりも彼はインド省や大蔵省に勤めていたこともあるので、国際マクロ経済について、誰よりも精通している人物だったと言っても過言ではないです。

何よりもケインズ程の聡明さを持ってすれば、市場を出し抜くことも簡単だと思いませんか?

 

でも、彼はこの投機で破産寸前に至ります。あのケインズがです。内部情報に近いところにあり、彼ほどの頭を持ちながらも、破産寸前までいったのです。

これは何を示唆しているかというと、当時のケインズ程の恵まれた環境と優れた聡明さを持ち合わせていてもなお、将来のことがどうなるかは誰にもわからないということです。

 

このときに私は思いました。「ケインズほどの知性を持ってしても、将来のことはわからなんだ…」と。

ここから私はどんな状況にあっても、この未来の不確実性を頭の片隅に入れながら自らの人生、投資戦略を策定することになりました。

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人間は感情の生き物であるという視点(合理性だけで人間は動かない)

ケインズはマクロ経済学を創設するにあたり、従来の伝統的な経済学からの脱却を図りました。伝統的な経済学の内容とは、極度に人間の合理性を重視する立場です。

簡単に言うと市場万能論、人間万能論です。アダム・スミスは実際はそこまで極端なことは言っていないのですが、人間の欲望に任せておけば「見えざる手(Invisible hand)」により、万事上手くことが運ぶという考え方です。

 

今の大学で勉強する経済学は、基本的にはこの人間の合理性を重視する立場です(近代経済学)。

しかし、近代経済学は、あまりにも人間の合理性を重視するあまり、現実を無視してしまっているのです。

理論と現実が違った場合に、理論を重視してしまうんですよね。

 

「果たして、経済は、理論だけで理解することができるんだろうか?」

おそらくケインズには、このような疑問を常に抱えていたと想像します。

そして、ケインズは、自分が投機家として失敗した経緯から、何よりも「人間は常に合理的に動くことができない」ということを痛感していたはずです。

 

お金ほしさに、レバレッジを拡大させて、大やけどをする(証拠金取引など)。これはケインズの時代に限らず、現代でもそうです。インターネットを見れば、そのような人は今でも大勢いるかと思います。あるいはバブルのときもそうです(最近でいうと仮想通貨バブル)。

 

ケインズの書籍を見ると、人間の不合理性の機微を理解している様子が垣間見れます。彼は人間が時として感情に突き動かされ、向こう見ずな状態に陥り、常時から考えると、とんでもない行動に出てしまうことがあることを理解していました。

というか、その不合理性こそが人間や社会を構成する本質である、と認識していました。

行動経済学というとダニエル・カーネマンなどが有名ですが(プロスペクト理論などでノーベル経済学賞を受賞)、ケインズはその走りだったんですよね。

 

人間が感情の生き物であるということは、なんとなく日常の生活をする中で、わかっていたのですが、経済学を勉強するうちに、ついつい忘れてしまうんですよね。

ケインズの書籍を読んでいるうちに、この疑問は私の中で確信に変わりました。

「人間は感情の生き物」というテーゼは、私の中で投資哲学に昇華しました。

 

現在は経済学も伝統的な合理性重視の立場から少々範囲を広げ、行動経済学という人間の心理的な側面を考慮した理論を構築する方向に動いています。

そして、私はこの行動経済学の知見を、経済の分析や投資の戦略に活用しています。

人間は動物であり、感情に左右される生き物であるというテーゼを、いつも頭の片隅に入れて、私は世界を見ることにしています。

何事も極端は良くない(バランスを取ることの重要性。)

バランスを取ることの重要性ですね。私はよくバランスの大切さを訴えることがありますが、それもまたケインズの考え方に由来しています。

 

世の中には対局の性質のものがたくさんありますよね。

例えば、理論と実践、資本主義と共産主義、現在と将来など。

この2つの引き合う力の間でバランスを取ることは凄い大事なことだと、私は思っています。

 

分かりやすいように、理論と実践の話を例にしてみましょう。スポーツが分かりやすいかと思います。

スポーツで言うところの理論は「教科書を読むこと」だとしましょう。

そして実践とは、実際に練習や試合をして、体験することとしましょう。

 

ここで言う極端になるとは、どちらか一方しかやらないことを意味します。

 

「教科書を読んでれば、上達する!」という考え方のことです。

私はそこそこスポーツをやってきた人間ですが、以下のことは断言して言えます。

残念ながら、教科書を読んでいるだけで、スポーツは上達することはありません。

テニスの教科書を読んでいるだけで錦織圭になれるか?みたいな話です。

 

また、逆に、実践だけ積んでいれば、上達するのかと言われれば、不可能では無いにしろ、上達のスピードは遅くなります。

そのスポーツのルールや戦略、道具の使い方、体のメンテナンス、鍛え方など、実務に関連した知識を習得することで、上達のスピードは格段に早くなります。

 

このケースで言えば、大事なのは、ただひたすらに練習をするだけでもなく、ただひたすら教科書を読み込むだけではなく、その両者の間でバランスを取ることです。

常に理論と実践の間を往来して、試行錯誤を繰り返し、自分の中に、ある種の平衡感覚(バランス感覚)を保つことです。

 

このバランス論については、投資でも活かすことが可能です(例えば、現在と将来のバランスを見て投資を考えるなど。)。

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ちなみに、孔子の論語にも同じ内容が書かれていて、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」と記されています。

極度なことは不足していることと同じだ、という意味です。

 

お金の本質を考えることの重要性について(お金を理解することなしに経済を理解することはできないという視点。)

私が好きな分野で、お金の本質や起源をめぐる「貨幣論」があります。

「お金とはなにか?」という疑問にとことん答えていく分野だと思ってもらえれば良いです。

 

お金と経済ってすごく密接な関係にあるんですけど、意外にも伝統的な経済学では、お金って研究の対象にされていないんですよね。

伝統的な経済学では、お金は経済に対して中立の存在だと認識されているので、無視してOKって扱いなんです。

 

ケインズはそれに対して、「いやいや、お金こそ、資本主義の中核をなす存在で、お金の研究なしに、経済の理解はありえない」という立場だったんですね。

私の貨幣論の興味はケインズのこの姿勢に由来しています。

実際に貨幣論を研究するうちに、このケインズの考え方に深く賛同するようになりました。

 

最近のMMT(現代貨幣理論)などの盛り上がりもそうなんですけど、お金の本質を理解すると、経済や投資に対する見え方とか価値観って本当に一変するんですよね。

経済を分析したり、投資をする上で、「お金とはどのような存在なのか?」という問いは、超重要なクエスチョンなわけです。

お金の本質を理解することで、経済の分析や投資の戦略が変わってくるんですよね。

 

現に私は貨幣論から得られた知見を投資に応用しています。例えば、仮想通貨の分析、経済の分析(日本のデフレ状況の分析)、投資対象の選定などです。

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貨幣論の観点から分析した現在の日本のデフレ状況は、かなり悲観的な状態です。

(投資対象としてはあまり有望ではない)

 

21世紀に生きる我々がケインズから学ぶことは想像以上に多い

  • 人間は感情の生き物(動物)であるという人間観から投資や経済を考える
  • 未来の不確実性について肝に命じて投資を行う(将来がどうなるかは誰にも分からない)
  • 極端なことは避け、節度を持って、事の対処にあたる。
  • お金と経済は切っても切り離せない存在であり、お金の研究なくして経済の理解はありえない。

上記に挙げたこと以外にも私がケインズから学んだことは多いですが、私の中核をなす考えの多くはケインズに由来します。

ケインズに会ったときから、今も、そして今後もケインズが私の師匠であることには変わりが無いと思うので、状況を見ながら、ケインズに関する情報をこの記事に追加で掲載していきたいと考えています。

 

また、私のもうひとりの師匠であるウォーレン・バフェットについても、近く記事を執筆する予定です。

この記事を読んでケインズに興味を持たれた方のために、後ほど、参考書籍等の情報を掲載します。

長文をお読みいただき、ありがとうございます!

 

 

ABOUT ME
ELSOL(エルソル)
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20代会社員。資産形成と資産運用を猛勉強し、様々な手法を経験した結果、本業+副業+インデックス投資が最強の資産形成・運用法という境地にたどり着く。20代でも資産形成できることを証明するべく、また、20代に役に立てるよう、資産形成、資産運用の情報を発信します。 読書も大好きで、年間200冊以上は読みます。読書に関する情報も発信します。